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Château Bonalgue

シャトー

狂喜の時代
戦後数年間で、建築的、芸術的思考が根本的に一新された、歴史に残る時代です。ポムロールでは、新しいオーナーによる新たな発想、新たな野望をもとに、本格的な栽培革命が起きています。1924年、この葡萄園に心惹かれたジャン・バティスト・オーディーは、教会の足元に広がる見事な区画を購入します。これが « クロ・デュ・クロシェ »の始まりです。以後、自然相手の献身的作業と地道な学びの日々が続きます。

新たな門出
一世紀を経た今、強力な個性をもつこのワインは、一部のワイン愛好家の間で密かに親しまれています。 ボルドーの建築事務所ファーブル・ド・マリアンが、葡萄畑に囲まれた位置に居心地の良い場を造りました。ここでは、神秘的ともいえるワイン生産の過程に触れることができます。 醸造所を拡張した他、熟成庫を地下に設置することで、重力を用いたワイン作りができるようになりました。古いボトル用の酒蔵も新築され、周囲の葡萄畑と美しく調和しています。

理想的な緊密関係
ポムロール一帯は、その優れたテロワールで名を馳せているとはいえ、区画に特殊な膨張性粘土の表層を持つシャトーはほんの一握りしかありません。クロ・デュ・クロシェ、ペトリュス、ル・パン、コンセイヤント、ヴィユー・シャトー・セルタンでは、畑とテロワールを結ぶ「自然の契約」により、葡萄の完熟が導かれ、複雑なアロマが宿ります。

ひと味違う独創性
クロ・デュ・クロシェの畑は、ポムロール台地の中央に位置する3つの区画からなり、全栽培面積は4.6ヘクタールです。畑は、メルロが大半を占めているとはいえ、アッサンブラージュの仕上げの際に型にはまらない独特な個性を与えてくれる、非常に古いカベルネ・フランの樹が30%植えられています。

偶然が入り込む余地を残さない
葡萄畑では手作業による剪定、除葉、余分な芽の刈り取り、有機物質を用いた病気や寄生虫の退治、一株ごとに収量を限定するなど、すべて葡萄の自然なバランスを整えるための努力です。1957年に端を発する3ヘクタールの畑には、特に注意を払います。収穫は、手摘みで小型の収穫カゴを用います。除梗の前後2回に別けて選別を行います。

醸造所

少しずつ...
当地に良く見られるコンクリートとステンレス製の醸造所では、少量単位の醸造ができるので、それぞれの区画の特徴を完璧に生かせます。 弱火で煮炊きする厨房のように、クロ・デュ・クロシェではピジャージュ或いはルモンタージュをしながら、ワインに上品さが備わるまでゆっくりと時間をかけて醸造します。

ワインの骨格
一つひとつの樽がワイン醸造に貢献します。ワインが、マロラクティック発酵の大半と熟成期間の18ヶ月をこの中で過ごすだけあって、樽の選択には、製造者、そして醸造スタッフの慎重な判断が求められます。

選択の時
各工程をそれぞれの「要素」がゆっくりと忍耐強く進んでゆく先には、それぞれの個性を全体にまとめる作業が残っています。ミッシェル・ロランとそのチームとの合意の下、クロ・デュ・クロシェのスタッフが決定するアッサンブラージュを経て、ワインの構成と香りの全てが方向付けられます。

ワイン

「見事なテロワール」 Robert Parker
「極めて上品なワイン」 Vinum
「急いでチェック!」 Jancis Robinson

クロ・デュ・クロシェは実にユニークで、オリジナリティと個性を求める玄人好みのワインです。濃厚さと力強さがしっかりと備わっているのはもちろんのこと、上品さやミネラル感も前面に現れています。若いうち(2~5 年)は、堅さが残り香りは控えめですが、ボトルの抜栓とともに、メルロによる黒系果実やスミレの香り(6~10年)、スパイス、メントール、タバコ(12~20年)といった極めて複雑な香りが放たれます。カベルネ・フランの驚くほど新鮮な風味が、このワインに流行を超えたスタイルを与えています。

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